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自然・風景

筆影山と竜王山、島の重なりと橋を見比べる二つの展望地

筆影山
筆影山展望台

三原市にある筆影山と竜王山。どちらも瀬戸内海の多島美を楽しめる展望地ですが、実は標高も、島々を眺める角度も違います。筆影山は標高311m、竜王山は445m。その差は134m。同じ海を眺めても、島の重なり方や橋の見え方、季節ごとの表情はさまざまです。今回は、二つの山を見比べることで発見できる、三原の景色の面白さを紹介します。

高さが違うだけじゃない!筆影山と竜王山の魅力

三原市街地の南側に広がる瀬戸内海。 大小の島々が海に浮かぶ景色は「多島美(たとうび)」と呼ばれ、三原を代表する景観の一つです。 そんな多島美を山の上から楽しめる場所が、筆影山(ふでかげやま)と竜王山(りゅうおうざん)です。 筆影山の標高は311m。その南西に連なる竜王山は445mで、標高差は134mあります。 二つの山は、どちらも瀬戸内海国立公園の一部です。 ここで一つ、気になることがあります。 「高い山から見る方が、景色はきれいなの?」 実は、単純に高さだけでは比べられません。 山の位置が違えば、島々を眺める方向も変わります。 同じ島でも、手前に見えたり、別の島と重なって見えたりすることがあります。 つまり、二つの山には、それぞれ違った角度から瀬戸内海を楽しめる魅力があるのです。 どちらが優れているかではなく、見える景色の違いを探す。 そんな楽しみ方ができるのも、筆影山と竜王山の面白いところです。

同じ島なのに、違って見えるのはなぜ?

筆影山と竜王山からは、瀬戸内海に浮かぶさまざまな島々を見渡すことができます。 三原市の観光案内では、小佐木島(こさぎじま)、佐木島(さぎしま)、因島(いんのしま)などが紹介されています。 特に竜王山からの眺めでは、正面に小佐木島と佐木島、左側にしまなみ海道などが見えると案内されています。 では、なぜ同じ島でも眺める場所によって違って見えるのでしょうか。 その理由の一つが、見る角度の違いです。 例えば、二つの島が遠くから見ると重なって見えても、別の場所へ移動すると、島と島の間に海が見えることがあります。 これは、見る位置が変わることで、手前と奥にあるものの重なり方が変化するためです。 筆影山と竜王山でも、同じ島を目印にして眺めることで、こうした違いを探せます。 おすすめは、まず小佐木島や佐木島の位置を確認すること。 そのあとに周囲の島々や橋を探してみると、景色の広がり方がより分かりやすくなります。 ただ眺めるだけでも美しい瀬戸内海ですが、島の位置を意識すると、まるで自然の地図を見ているような楽しさが生まれます。

「筆影山」という名前には、意外な由来があった

「筆影山」という、少し変わった名前。 実は、この名前にも三原ならではの物語があります。 三原市や三原観光協会によると、江戸時代後期の儒者・詩人である頼山陽(らいさんよう)が名付けたと伝えられています。 その由来は、海に映った山の姿が、まるで筆のように見えること。 山の形と水面に映る影から「筆影山」という名前になったといわれています。 面白いのは、この名前が山の上から眺める景色ではなく、山そのものの姿に関係しているところです。 普段は筆影山から瀬戸内海を眺めることが多いかもしれません。 しかし、山のふもとや海側から筆影山を見ると、また違った発見ができそうです。 なお、頼山陽が命名したという話は、地域に伝わる由来として紹介されているものです。 本人の発言や命名の瞬間が確認されているという意味ではありません。 山頂からの絶景だけでなく、山の名前に込められた物語も、筆影山の魅力の一つです。

冬の朝、海に霧が広がることも!筆影山のもう一つの顔

筆影山の魅力は、晴れた日の景色だけではありません。 実は、季節によってまったく違った表情を見せてくれる山なのです。 特に知られているのが、冬の早朝に発生することがある「海霧(うみぎり)」です。 三原市の観光案内では、気温が海水温より低くなる冬の早朝に、海霧が発生することがあると紹介されています。 霧が海の上に広がると、いつもは見えている海面が白く包まれ、島々の姿が霧の中に浮かび上がるように見えることがあります。 青い海と島々がくっきり見える晴天の日とは、まるで別の景色です。 ただし、冬の朝なら必ず見られるわけではありません。 海霧の発生は、気温や海水温などの気象条件に左右されます。 また、筆影山は春の桜の名所としても知られています。 三原観光協会によると、山頂付近には約2,000本のソメイヨシノがあり、春には多くの花見客が訪れます。 春は桜、夏から秋はハイキング、冬は海霧。 同じ山でも、訪れる季節によって違った楽しみ方ができるのです。 一度行ったことがある人も、季節を変えて訪れると新しい魅力に気づくかもしれません。

竜王山からは、しまなみ海道の橋が7つ見える?

筆影山の南西に位置する竜王山。 標高445mの山頂からは、筆影山とは異なる角度で瀬戸内海を眺めることができます。 そして竜王山には、もう一つの大きな見どころがあります。 それが、しまなみ海道の橋です。 三原市の公式案内によると、竜王山からは、しまなみ海道の10橋のうち7橋を一望できるとされています。 しまなみ海道は、本州と四国を島々を経由して結ぶ道路です。 竜王山から景色を眺めると、瀬戸内海に浮かぶ島々だけでなく、それらを結ぶ橋も見つけることができます。 ここで、少し視点を変えてみましょう。 ただ橋を探すだけではなく、「どの島とどの島をつないでいるのだろう?」と考えてみるのです。 自然がつくった島々の景色と、人がつくった橋。 その両方を一度に眺められることが、竜王山ならではの魅力です。 ただし、案内にある7橋が、いつでもすべてはっきり見えるわけではありません。 遠くの橋ほど、天候や空気のかすみなど、視界の条件によって見え方が変わります。 晴れて見通しのよい日に、いくつ橋を見つけられるか挑戦してみるのも面白そうです。

晴れた日は四国まで!瀬戸内海の向こうに何が見える?

竜王山の眺望には、さらに驚くような特徴があります。 三原市によると、晴れた日には遠く四国山地まで見渡せるとされています。 手前には瀬戸内海の島々。 その向こうには、さらに遠くの陸地や山並みが広がっています。 普段、海を眺めていると、つい近くの島に目が向きます。 しかし、遠くの山並みまで意識してみると、瀬戸内海が本州と四国の間に広がっていることを、景色から実感できるかもしれません。 もちろん、四国山地がいつでも見えるわけではありません。 晴れていても、大気の状態によって遠くの景色がかすんで見えることがあります。 逆に、見通しのよい日には、島々の輪郭や遠くの山並みまで眺められることもあります。 竜王山では、手前の島、奥の島、さらに遠くの四国山地というように、景色の奥行きを意識してみるのもおすすめです。 同じ場所でも、その日の空気や天候によって印象が変わるのが、自然の景色の面白さです。

二つの山を比べるなら、写真を撮ってみよう!

筆影山と竜王山を訪れるなら、ぜひ試してほしい楽しみ方があります。 それは、二つの山から同じ島を撮影して、写真を見比べることです。 例えば、小佐木島や佐木島など、共通の目印を探してみましょう。 できれば、同じ日に二つの展望地を訪れ、それぞれの場所から写真を撮ってみてください。 写真を並べると、島の位置関係や重なり方、周囲の海の見え方に違いが見つかるかもしれません。 ただし、写真を比較するときには注意したいこともあります。 撮影する方向やスマートフォンのズーム倍率が違うと、島の大きさや見え方も変化します。 なるべく近い画角で撮影し、撮影場所や時間を記録しておくと比較しやすくなります。 さらに、同じ場所から違う季節に撮影するのもおすすめです。 春の桜、夏の青い海、冬の海霧。 場所による違いだけでなく、季節による景色の変化も楽しめます。 いつもの風景を少し違った視点で記録する。 そんな小さな工夫が、三原の新しい発見につながるかもしれません。

同じ瀬戸内海でも、見える景色は一つじゃない

標高311mの筆影山と、445mの竜王山。 二つの山は近くにありますが、そこから見える景色には、それぞれ違った魅力があります。 筆影山では、季節によって表情を変える海と島々の景色。 竜王山では、島々の向こうに続くしまなみ海道の橋や、遠く四国山地までの眺望。 そして、どちらの山でも楽しめるのが、瀬戸内海ならではの多島美です。 同じ島を眺めても、見る場所や角度が変われば、違った景色に出会えます。 さらに時間や季節が変われば、海の色や島々の輪郭も変わって見えることがあります。 どちらの山が一番きれいなのか。 そんなふうに順位をつけるのではなく、それぞれの山から見える景色の違いを楽しんでみる。 そうすると、何度も見てきた三原の風景にも、新しい発見があるかもしれません。 次に筆影山や竜王山を訪れたときは、ぜひお気に入りの島を一つ探してみてください。 そして、もう一方の山からも同じ島を探してみましょう。 見慣れた瀬戸内海が、少し違って見えるかもしれません。

参考資料・出典